排泄の世の夢

便意をもよおし、起き上がる

 

  

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寝るにはまだ早いが起きて活動するには少し遅いであろう、とある真夜中のこと。読みかけの本を枕もとに置き、布団の中でうつらうつらとしていたところ、ふいに便意をもよおしトイレへとむかう。途中、起きてしまったのなら少し雑事でもするかと思い立ち、それならこの後の寝入りをよくするために牛乳+豆乳を飲むかとマグカップにそそいで電子レンジに入れる。温めは二分。その間に排便をすませ、手を洗い、レンジの前に戻るとちょうど温めを終えた「チン」という聞きなれた音が耳をたたいた。

 

現在の私の住まいは2LDKのアパートの二階。レンジ台を置いてあるキッチンスペースとトイレにほぼ距離はない。つまり、私のそのときの排泄(排便)時間は二分ということになる。ここで、ふと気になって、ホット牛乳豆乳を片手に検索をしてみた。

 

q.hatena.ne.jp

 

トイレにかける時間は平均5分41秒 長いのは大阪府、短いのは徳島県 | OVO [オーヴォ]

 

 

上記記事によると、約五分。私の今までの排便履歴を思い出すと、全国平均よりやや短い。これは私の胃腸が弱いことに関係しているのだろう。それが証拠に、つい先ほどの私の便は、下痢のようにシャビシャビではないものの、固形ではない、ねっとりとしでとろみのついた、ある種のカレーのような状態であった。そこで私は不思議な感覚に襲われた。

 

私が排泄したのは夕飯に食べたカレーそのものだったのか、それともあのカレーは食べる前からウンコだったのか。いや、そもそも人間そのものがウンコなのだろうか。思い返せば、私の人生はウンコそのものだ。そのとおり、排便の妖精が私の耳元でうなうずいた。お前の人生は、糞だめに、ハエがたかったかのような青春時代をすごし、そして今にいたるのだ・・・そこまで考えて、排便のせつなさと自分の体が要求する睡眠欲を自覚し、私は布団に戻ると水洗トイレの奥に流れていく大便のように、私の意識は眠りというなの便器の奥底へと落ちていった。

 

 

 

便器のカタチの カレー皿 SAN1972

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荘子〈1〉 (中公クラシックス)

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真夏の夜の夢

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胡蝶の夢〈第1巻〉 (新潮文庫)

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