規制と検閲とレイ・ブラッドベリの華氏451度(新訳版)を読んだよ、というお話

最近本を読んでいなかったので

 

とりあえず何でもいいから買おう、積読のもあるけどもう買ってしまおうと思って近所のツタヤの店内をフラフラ歩いていたら平積みになっていた華氏451度が目に入ったので手にとってそのままレジにいきましたとさ。名前だけは知っていたんですけどね、レイ・ブラッドベリ。確か、火星年代記を古本屋で買った覚えがあるのですが、ちゃんど読んだことはないんですねよねレイ・ブラッドベリ。いや、いいたいだけじゃないですよブラッドベリ。名前がいいですよね、カッコイイ。

 

SFっていいよね

 

SFっていいですよね。あまりに本を読んでなさすぎたのもあったのですが、やっぱりいいよなーサイエンスで少し不思議なフィクションって、と思いました。正直いうと、導入部は少しはいりづらかったというか、比喩表現やいい回しの部分でクドさを感じたんですけど、それもすぐに慣れました。そこは個人の好みの問題なんですけどね、自分はもう少し硬質な文章が好きだったりとかを思い出しとかしなかったりとか。

 

あらすじと書評とはずれる個人的な感想を少し

 

本の所持が実質禁止になっている、規制と検閲が極端に強化された近未来のアメリカ(執筆された1960年当時から見て)が物語の舞台。焚書を目的としたファイアマン(昇火官)の主人公が風変わりな少女と出会うことから、自分をとりまく社会の違和感と異常性に気づき・・・というお話。これが書かれた1960年当時は、焚書とか情報統制とかがリアルだったんでしょうが、僕の世代(といって世代論でくくってしまうのはよくないかもしれないけど)からすると、思想統制ってのが最初ピンとこなくて、物語に入るまで少し時間がかかりました。

 

もちろん現代の日本においても、言論の自由やら規制やらが有害図書とか非実在少年少女やらで日々問題になっているのは知っているのですが、それらとはレベルの違う規制・・・思想統制が当たり前の世界、つい数年前で実際に行われていて、その感覚が現実と同じ平面状に存在している世代とそうでない世代では読後感に違いがあらわれるのかなぁとか、そんなことをつらつらと考えたりしながら読み進めました。

 

・・・と思っているのは自分だけで

 

実はすでに思想統制は達成されていて、そう思いこんで毎日浴びるように情報を摂取して生きている自分はある種幸福なのかもしれない・・・なんてのとは別にしてレイ・ブラッドベリ積読してたのはもったいなぁーと超絶周回遅れに思ったので火星年代記もすぐ読みたくなりました。ただ、読むためには実家にいってダンボールの山から古本を探すか、もう一冊買うか、いっそのことこっちも新訳版がでているみたいなのでそれを買うか、悩みどころブラッドベリです。

 

 

華氏451度〔新訳版〕

華氏451度〔新訳版〕

 

 

 

火星年代記 (ハヤカワ文庫SF)

火星年代記 (ハヤカワ文庫SF)